夕ごはんのとき、「Do you want more rice?」ときくと、「うん、もうちょっと!」と元気な返事。お茶わんを差し出すところまで、質問はちゃんと伝わっています。それなのに、返ってくることばはいつも日本語です。
英語はわかっているのに、話さない。おうち英語を続けるご家庭の多くが、この段階で手ごたえを見失います。けれど、日本語の返事は失敗のしるしではありません。この記事では、子どもが日本語で返す理由、その場での親の返し方、話し出す前に見えるサインをお伝えします。
日本語の返事は、英語が届いているしるし
ことばは、話せるようになるより先に、わかるようになります。英語の質問に日本語で正しく答えられるのは、英語を聞き取り、意味をつかみ、返事まで考えられている証拠です。いまは英語を体の中にためている時期で、口から出てくるのはその先です。
話す力は、聞いた英語がじゅうぶんにたまってから、少しずつ表に出てきます。聞く量そのものを増やしたいときは、おうち英語のやり方で、語りかけ、絵本、かけ流しの組み合わせ方を紹介しています。
子どもが日本語で返すのは、そのほうが早く通じるから
子どもはとても合理的です。ママもパパも日本語がわかると知っているので、いちばん早く確実に伝わることばを選びます。園でも公園でも日本語が飛びかう毎日では、英語で言う理由がなかなか見つかりません。
つまり、足りないのは英語の力より、英語で言いたくなる場面です。その場面は、家の中で親がつくれます。
日本語で返事が来たときの、親の返し方
大切なのは、返事を受け止めたうえで、英語をもう一度聞かせることです。毎日の会話でできる返し方を4つ紹介します。
受け止めて、英語で言い直す
「もうちょっと!」と返ってきたら、「More rice? OK, more rice!」と、子どもの言いたいことを英語にして返します。子どもに言い直させる必要はありません。自分の気持ちが英語になる音を、子どもはしっかり聞いています。
同じ場面で、同じひとことを使う
「Bye-bye!」「Thank you!」「Good night!」のように、場面と結びついたひとことは、子どもが最初に口にしやすい英語です。玄関、食卓、寝る前と場所を決めて毎日くり返すと、ある日、親より先に言うようになります。
最後のひとことの前で止まる
何度も歌った歌や読み慣れた絵本で、最後の単語の手前で止まって待ちます。「Twinkle, twinkle, little...」と止めると、「star!」と続けたくなるのが子どもです。言えなかったときは、親が楽しそうに続ければ十分です。
英語しかわからないぬいぐるみを家族にする
お気に入りのぬいぐるみをひとつ「英語しかわからない子」に決めて、親が声をあてます。日本語で話しかけられても、ぬいぐるみは首をかしげるだけ。子どもは助けてあげたくなり、知っている英語をさがし始めます。
反対に、「英語で答えなさい」と言うと、会話はそこで止まります。答えの中身が合っていても言い直しを求められると、英語は試されることばになってしまいます。返事のことばは子どもにまかせ、英語を聞かせる役は親が続けてください。
話し出す前に見えるサイン
英語を話し出す前には、小さなサインが出てきます。こんな様子が見えたら、英語は確実に育っています。
- 英語の声かけに体で反応する。「Shoes on!」で靴をはきに行くなど。
- ひとり遊びの中で、英語の歌や単語を口ずさむ。
- 日本語の中に英単語がまざる。「ママ、blueのとって」のように。
- 親の英語の言いまちがいに気づいて、笑ったり直したりする。
なかでも英単語がまざる話し方は、英語が「使えることば」になりはじめた合図です。
「わかる」と「言える」を分けて見守る
英語はわかるのに話さない時期の親子のために作ったのが、Tatakoです。お子さんが学ぶのは英語。声かけもメニューも、レッスンのすべての案内も、ご家庭の母語で届きます。1回のレッスンは約5分で、パパやママがとなりに座っていっしょに進めます。単語は3回流れ、そのたびに声に出せる間があります。最後は絵だけがもどってきて、お子さんが先に名前を言う番です。レッスンのあとは単語ごとに「はじめて」「もっとくり返す」「わかる」「言える」を記録するので、わかっているけれどまだ言わない単語も、進み具合にきちんと残ります。Web・Apple・Androidで使えます。iPhone、iPad、Androidのスマホとタブレット、どのパソコンでも。
今日やってみよう
- お子さんに先生役をお願いして、知っている英単語をひとつ教えてもらう。
- 今日お子さんが英語でわかったことを、ひとつメモしておく。
- お風呂で、体を洗いながら英語で言う。「Hands!」「Feet!」
よくある質問
英語で話しかけるのは、やめたほうがいいですか?
話しかけは続けてください。親の英語は、子どもが毎日聞ける一番身近な英語です。話しかけをやめると、その英語がまるごと家からなくなってしまいます。
話し出すまで、どのくらいかかりますか?
時期は子どもによって大きくちがいます。かかった時間を数えるより、毎日の中に英語を聞く場面と言う場面があるかを見てください。短くても毎日続くほうが、ときどき長くやるより、話す力につながります。
かけ流しだけで話せるようになりますか?
かけ流しは英語の音に耳をなじませますが、話す力は、自分が言う番が来たときに育ちます。流している歌の中から子どもが気に入ったひとことを選び、生活の中で親子で言い合ってみてください。
英語教室に通えば、話すようになりますか?
英語教室は、英語で言う理由がある場所です。先生が英語で待っていてくれるので、家では日本語で返す子も、教室では英語を口にすることがあります。家で聞いていた単語が教室で通じると、その手ごたえが家での英語にも返ってきます。
きょうだい同士だと日本語ばかりです。どうすればいいですか?
きょうだいの間では、いちばん速く通じることばが選ばれるのが自然です。英語は、きょうだいいっしょの遊びに入れると使われやすくなります。「Ready, set, go!」で始めるかけっこのように、合図が英語の遊びを取り入れてみてください。
英語を話さないのは、発音に自信がないからですか?
子どもは発音の上手下手より、通じたかどうかを見ています。英語で何か言えたときは、発音を直さずに中身に返事をしてください。「Cat!」と言えたら「Yes, a big cat!」と返すだけで、言ってよかったという気持ちが残ります。
英語で話す日は、ある日ふいにやってきます。親子で英語の時間をつくりたい日は、Tatakoのレッスンをいっしょに開いてみてください。

